えー、失踪してました(何年ぶりで何度目かは忘れた)。ぼくの友人たちは、もう慣れっこだと思うけど、ご迷惑をおかけした方がいたなら、この場を借りてお詫びします。すまんぐーす。そんなわけで、今日は紹介したい論文がひとつあるので、引用して下記させていただく。
「失踪のススメ」
【はじめに】
本稿は、ギリギリ捜索願いを出されない程度の失踪をかますことにおいて、プロレベルという自負のある筆者が、失踪について論じていく海洋冒険ロマン!!
【0.失踪の前提】
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。それならば、人ではない怪物は一体どうなってしまうのか。その謎を解明すべく、我々はアマゾンの奥地へと向かった。そこで探検隊が目にしたものとは!? いま、パンドラの箱が開かれる……!
【1.失踪の分類】
失踪を企てるときの(筆者の)心の働きをパターン化すると、以下の3つに大別できる。
①シンプルに何かもが嫌になって、逃げ出すように失踪。
②楽しい日々が続いたことにより、「こんな幸せは、自分には分不相応だ」という謎の判断から、孤独になることを選び失踪。
③周りのひとたちの美しさ、眩しさに憧れ、自分もそれに見合う人間に、かっこいい人間になりたいと思い、修行期間に入るために孤独になることを選び失踪。
ちなみに今回の失踪は、上記の②と③に該当する。気がしていたが、結局①だった気がしないでもない。
【2.経過観察】
この時点で、ほとんどの読者が脱落しているであろうが、そんなの関係ねぇ。筆者のこの3週間ほどの失踪の軌跡を記録しておく。
・3月1日
ぼくの価値は、残念ながらかなり低い。誇れるものはなにもなく、知識もスキルも一切持ち合わせていない。ぼくの周りのひとたちは、みんなかっこいいから、ぼくだってかっこよくなりたい。今日からはそのための修行期間に入る。決めたからにはとことんやるのが、ぼくのルール。あらゆる連絡は無視。SNSも基本的には(「基本的には」というところがミソ。何にでも例外はあるのだ)シャットアウト。気合い十分。
・3月2日
改めて音楽理論の勉強をはじめる。シンセサイザーの仕組みの理解や音作りの修練、鍵盤の練習にも努める。難しさに嘔吐する。
・3月3日
ひな祭り
・3月4〜5日
「修行といえば山っしょ!」という安易な考えと、大いなる決意を胸に入山。山と海を眺め過ごす。
・3月6日
思ったより寒いので下山。
・3月7〜8日
孤独と悲しみがピークに達し、苦しむ。申し訳なさと、自分が何も成長していない恥ずかしさから泣く。
・3月9日
当然なり!献愛は時に苦痛を伴うもの。だが、お前の胸にあるのは手をさしのべることの優越感のみ!
・3月12〜13日
大概のことがどうでも良くなる境地に辿り着く。
・3月14日
この期間に思いついた曲を改めて聴くと、押し並べてキショかったので、全てボツにする。情けなさで爆発し、嘔吐する。今度は比喩じゃなく。
・3月15日
死
・3月16日
死
・3月17日
死
・3月18日
死
・3月19日
甦れ。鮮やかに。
【3.結果】
暴走する母、ひと手間かけさせられる友人、ガン無視する友人、超法規的特務機関。
行きなさいナオトくん!誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!
【4.結論】
多分今後、ぼくの失踪は成功しないでしょう。甘くなって、温くなってしまった。優しくされるほどの人間じゃないのに、みんなが優しいから困ってしまう。
でも、わざわざ失踪なんかしなくたって、いつか絶対に会えなくなってしまう時がくるから、会いたいひとに会って、話したいひとと話しておいたほうが良い。それができるうちに。ぼくはダサくて、借りを返せないままだけど。
いつか、暖かい光の中で。あなたが笑う時、ぼくも其処に居たい。何も捨てず、この中身のままで、借りたものを返しに。きっと行くから。
大越先生の次回の失踪チャレンジにご期待ください。
【参考文献】
真空ジェシカ
https://youtu.be/VBCIWSwAeUo
One And Two / James Iha
https://youtu.be/inhV1f82smc