フーテン少年日記 / Okoshi Naoto

ドードー・フロム・ザ・ユートピアという名前で音楽をつくっています。

優しさって何だと思う?

優しさって、なんだろう。もう30手前になるけど、未だにこのディフィカルトすぎる問題に対して、グズグズと思案に暮れてしまう。あと、途方にも暮れてる。

 


おれは、生まれてこの方、ちっとも優しくいられた試しがない。あらゆる行為が全部自分のため。自分の好きなひとたちにはハッピーでいてもらいたいっていう、あまりに自分勝手な意志で作り上げた理想の世界を見るために、自分がやりたいと思ったことをやって、言いたいことを言ってるだけ。完全に藤原基央の世界観。自分のためだから、それ以外何も欲しくないし、何も望んでいないんだよ。

 


だから、そんなおためごかしに対して、誰かから「優しい」って言葉をかけてもらってしまうと、すごくむずがゆい気持ちになってしまう。「全然そんなことないよ」って言って、否定してしまいそうになる。だって、全然そんなことないもん。自分の思い通りの世界にするための行動なんだから、発想としてはほぼ世界征服を目論む魔王。

 


「優しいっていう言葉は、自分にとって都合の良い人間にかける言葉だ」という考え方もあるけど、おれはそれにはあんまり納得がいってない。

 


誰かの行為を「優しさ」として受け止められるのは、きっと、受け手のなかに優しさがあるからだと思っている。受け取ったものを「優しさ」と名付けて、相手に伝えられること自体が、すごく優しい現象。だから、おれの行為に対して優しいって言ってくれるひとたちがいるとすれば、それはきっと、きみたちが優しいからなんだよ。むずがゆさの正体は多分この感覚。誰かのことを優しいって言える、きみたちこそが優しいんだぜ。

 


恥ずかしいことに、おれは本当に誰かからの愛情を受け止めることが下手くそな人間なんだよね。「おれはそんなことをしてもらえるほどの人間じゃないからさ、、、」っていう発想が先に出てしまうから。そんなんだから、本当に優しくない人間だなぁ、って、ずっと思っている。せっかくの好意を、いつだって台無しにしてまう。自分はやりたいことをやって、愛情を押し付けてるのに、相手からのそれは通せんぼ。悪魔かおれは。誰かを愛することは簡単だけど、本当に難しいのはもらった愛を受け止めることだって、シャーマンキングの葉くんも言ってたし。本当にその通りだよね。

 


そういうわけで、まず、おれがはじめたいのは、もらったものをしっかりと受け止めて、それに対して真摯に応えること。その寛容さ。みんなみたいに、誰かの行為に対して、「優しい」って、名付けられるようになりたい。正直、「優しさって何だと思う?」の偉大すぎるクエスチョンに対峙するにあたって、あまりに細やかすぎる回答なんだけれど、いま出せる答えはこれがすべて。だからね、おれがちゃんと優しくなれたら、みんないっしょに笑ってね。

 

ひとりごと / BUMP OF CHICKEN

https://youtu.be/YR7gMP93CKI